ダブすた

 

「歌ってみた」とかボーカロイドの流行で、昨今のお若い人は原曲より先にカバー曲、コピー曲から入ることが多いと思います。

 

 この時期にこういう話をすると、「『夏祭り』はWhiteberryじゃなくてJITTERIN'JINNだろ!」と酒の息を吐くおっさんが出没しますけど、見かけても放っておいてあげてくださいね。当のおっさんたちだって『Daydram Bliver』はモンキーズじゃなくてタイマーズですから。

 

 映画、アニメ、ゲームと、現代ではあらゆるコンテンツにリメイクが存在し、それらは常にオリジナルと比較されます。そしてどちらが優れているかを決めるのは個人の主観。ゆえにオリジナルより優れた二次作品はたくさん存在するし、おっさんたちのダブスタもまかり通ります。

 

 ただ、おっさんの肩を持つわけではありませんが、音楽においてはオリジナルから聴かなかったことを後悔するケースも存在します。なぜなら「主観」は第一印象の影響があまりにも大きいから。

 

 何が言いたいのかというとですね。先日カラオケで友達が歌ったレゲエがいいなーと思って音源探して聞いてみたら、曲はいいんだけどなんか脳裏に歌ってる友達(おっさん)の顔がチラッチラして入り込めないんですよ!

 

 ただのおっさんとプロの歌唱力では比べるべくもないのに、第一印象だけ残って完全におっさんの曲をプロがカバーしたみたいになってるんですよ!

 

 これは音楽以外のコンテンツではそうそう起きない現象です。だって小説、たとえば『ひとつ海のパラスアテナ(3)』を人に薦める時に「さては広がる一面の海。漂う少女の前に来たれリ船団は――ぱんぱん!」とか講談する人いないですもんね(宣伝)。

 

 というわけで。おっさんはカラオケで無駄にソウルフルなレゲエを歌わないで、あとパラスアテナ3巻買ってという僕からのお願いでした。

 

ひとつ海のパラスアテナ (3) (電撃文庫)

ひとつ海のパラスアテナ (3) (電撃文庫)

 

 

 8/8の土曜日発売です。よろしくお願いします。