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(青い)鳥無き島の蝙蝠

日記

 

 ぺしん、と顔にコウモリが当たった。

 

 根本に穴を掘って埋まりたくなるような桜の木の下で、僕はこしこしと二回顔をこする。セーターの袖に茶色い毛が付着した。たぶん犬の毛。春。

 

 立ち止まったまま夕闇の空を見上げる。

 

 僕に「おっとごめんよ」したコウモリは、羽を動かさず風に乗ってグライダーのように飛んでいた。どうやら急いでいるらしい。たぶん理由は僕と同じ。今日いきなりやってきた陽気で、冬の終わりに気がついたのだと思う。

 

 山の端のシルエットに重なったのか、コウモリはいつの間にか見えなくなっていた。僕もせっせと家路を急ぐ。

 

 電車の中ではずっとダブルパンツのことを考えていた。それはダブルのパンツのことではなく、ブリーフの上に海パンをはき、どうにかうまいことして海パンの中のパンツだけを脱ぐという方法。ラップタオルがない時代の小学生の着替えテクニック。

 

 なんでそんなことを考えていたかといえば、ジーンズの下にはいたヒートテック股引がとっても暑いから。吊り革につかまりながら汗だくだくだから。

 

 ズボンを脱がずに股引だけ脱ぐのはドーナツを穴だけ残して食べるより難しい。それは哲学ではなく現実問題だ。今ズボンを脱いだら社会問題だ。

 

 全身から湯気を立てて帰宅する。犬がぱさぱさ尻尾を振って出迎えてくれた。僕は荒い息を吐きながら玄関でジーンズと股引を脱ぐ。犬が逃げた。待って違う。でも誤解を解いている暇はない。

 

 

 そうしてギリギリ三月三十一日の今、僕はとてもアレな格好でこの日記を書いています。これほど急いで何を伝えたかったかというと、

 

 ひとつ海のパラスアテナ(2)|電撃文庫公式サイト

 

 4/10にパラスアテナ2巻が出るよ! という話。だってほら、明日(4/1)お知らせしたらウソになっちゃいますしね。

 

 あのコウモリもきっとそうです。彼は魔王が四天王を招集するために飛ばした伝令なんですよ。3/31日中に四天王に指令を伝えないと、「『勇者来た。助けて』とか、魔王様のエイプリルフールマジウケル~!」なんてことになって世界に平和が訪れ

 

 

 ……余計なことを書いていたら三月中の更新に間に合いませんでした。開き直ってエイプリます。


 ラノベ作家マジモテますよ。モテると聞いてギターを手にした男子高校生だったあの頃の十倍モテてます。通勤と取材以外家から一歩も出ないのになぜかモテモテです。おかげでサインとか超うまくなりました。サインとか超うまくなりました……!