ソリティ馬(3DS)
昔よく行ってた酒屋さんの話なんですけど。
そこはご主人が引退して若旦那が店を切り盛りしているお店でして。ちょっと珍しい外国産ビールを置いているので、僕は帰宅時に時々覗いていたわけです。
その日はオーストリア産のビールを手に取ってレジに並びました。店番は若旦那のお母さん。お母様は僕が並んでいるのにも気づかず、ちょっと古いPCでソリティアを遊んでいます。
「あの……」とおずおず声をかけると「あらごめんなさい」と照れ笑いしてすぐにお会計。が、釣り銭を渡すやいなやお母様即ソリティア再開。店内で品出ししていた若旦那が「どいつもこいつもいいかげんにしろ!」と怒鳴りました。
若旦那がブチギレるのも無理はありません。というのも、この店でソリティア店番するのは母上だけではないんです。若旦那の奥様も、引退した前のご主人も、みんなが揃いも揃ってあの緑背景のウィンドウに釘付けだったのです。
そんなスマホがない時代の昔話。あの頃オフィスや学校のPCで遊べるゲームはソリティアだけでしたが、他に暇つぶしの選択肢がなかったわけでもありません。
ソリティアは、年齢問わずに遊べるシンプルなルールと、順番にカードを引く手遊びの楽しさで、最終的には若旦那すら虜にしてしまう高い中毒性を持っていました。
そんな悪魔のゲームと競走馬育成要素を組み合わせた『ソリティ馬』という3DSのDLゲームがあります。最近iOS版も出たのでご存じの方も多いかもしれません。
ゲーム内容的には2歳~4歳までレースに出馬して若駒を育成し、その後は繁殖したり古馬戦したりな周回ゲー。レースは一周の間にソリティアを3~4回プレイしてゲージを貯めるような感じ。貯まったパワーで位置取りをしてアイテム拾ったり、ゴール前の駆け引きしたりと、『ファミリージョッキー』を彷彿とさせる熱さ。
若旦那ファミリーがプレイしていたソリティアはWindows付属のクロンダイクルールですが、今作ではゴルフルールが採用されています。同じトランプでたとえるなら近いのは二人遊びの「スピード」。
そして制作会社は、名作『クインティ』や『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』を世に送り出したあのゲームフリーク(あとポケモン)。こんなの面白くないはずがない。
ほぼ二年ぶりにゲームを遊んであれもやりたいこれもやりたい状態の僕ですが、まだ『ソリティ馬』しか遊べてません。興味を持たれた方はドハマリご注意。500円です。
ちなみに酒屋さんは現在もなぜか繁盛してました。今すぐ雇われたい。