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スポンド

 

 著者校正をしています。

 

 僕はちょっと信じられないくらい字が汚いわけですよ。好きな2P横シューを紙に書いたら『リリリリ』です(※ソンソン)。

 

 これ、僕の字のまま本になったら確実に三、四人のインド人が右に行くことになると思います。さあ、君は何人見つけられるかな? 2/10発売の『ひとつ海のパラスアテナ』を買って確かみてみろ!(誤植ネタ風宣伝)

 

 で、字と言えばアレですよ。皆さん芸能人とかに会うと、それまで一度も欲しいと思ったことないのに「とりあえずもらっとけ」精神でサイン下さいとか言うじゃないですか。あれ、やめませんか。


 まだデビューもしてない新人がとらたぬマインドで妄想してると思うでしょう? 確かにね、僕も受賞前はインタビューに「こう来たらこう答える!」とかイメトレしてました。でもさすがにサインまでは考えていません。


 なのに親父がね、山ほどの色紙をね……。

 

 僕には四十八の殺人コンプレックスがあり、そのうちの一つが前述の「字の汚さ」なわけです。結婚式に呼ばれたら、家族に代筆してもらった祝儀袋をドヤ顔で受付に出した後、芳名帳のサインで悶死するタイプです。


 ほんとね。なんで子供の頃に字を練習しておかなかったのかと。『日ペンの美子ちゃん』のマンガを切り抜いただけで満足していた小学生の自分が憎い。集めたマンガを失くした中学生の自分はもっと憎い。

 

「でも今更自分を憎んでもしょうがないよねー」と自分にダダ甘な僕は考えます。そしてピコーンしました。「字が汚い」をネタにすればいいのだと。

 

 つまり、誤植ネタです。漢字はなんとかなるので、どうにかして「すた」を「すし」にできれば、失笑されて字の汚さは二の次に。思いましたね。僕ってばニコートリ以来の天才かもしれないって(※ニュートン)。


 こうして僕は校正の間も惜しんで三日三晩サインを練習し、悟ったわけです。


「た」はどうやっても「し」にならないと。どうせならうまく書く方の練習すればよかったと。


 結果、僕のサインは「鳩見す£」のままです。

 

(※1/19ちょっとだけ文章修正しました)